能ガキブログ

能楽初心者が未知の楽しみを追求するブログ

2024-01-01から1年間の記事一覧

世阿弥の能楽論「風姿花伝」を学べる3冊

前回の投稿からの流れで、世阿弥が著した「風姿花伝」に興味を持ちました。 世阿弥は、大成した能を後世に残すため、システム化し文章にまとめ、約20もの能楽論を書き遺しました。 そのうちでも「風姿花伝」は初期に書かれ、37歳の時に執筆を開始しています…

世阿弥の生涯を描いた「華の碑文」を読んで

世阿弥(ぜあみ)に興味を持ち、本書を手に取りました。 華の碑文: 世阿弥元清 (中公文庫 A 97) 作者:杉本 苑子 中央公論新社 Amazon 世阿弥は、室町初期の能役者・能作者で、父である観阿弥(かんあみ)と共に能を大成した人です。 本名は観世(かんぜ)三…

詞章と現代語訳を手に入れる方法【無料】

前回の投稿で、能楽鑑賞の際に以下があると内容が理解でき、より楽しめたと書きました。 詞章のテキスト 詞章の現代語訳 詞章(ししょう)とは、 能、浄瑠璃など演劇的作品の文章で、舞台上で演者や地謡方(じうたいがた)が謡うセリフやナレーションになり…

矢来能楽堂で「羽衣」を鑑賞

先日3月3日(日)矢来能楽堂に「羽衣」を観に行きました。4回目の能楽鑑賞になります。 矢来能楽堂は閑静な神楽坂の住宅街にあり、自宅に併設された能楽堂で、アットホームで隠れ家的な雰囲気がありました。こちらの建物は国の有形文化財に登録されています…

三井記念美術館にある能面「花の小面」

先日参加した「お能にトライ!」という体験講座内で、能楽師の小島英明さんが能面について解説されました。 そこで東京都内で見られる重要文化財「花の小面」の話をされました。 小面(こおもて)とは静かなほほ笑みをたたえた若い女性の面。その中でも豊臣…

体験講座「お能にトライ!」に参加

なかのZEROでの新春能「船辨慶」で配られたチラシに、シテの小島英明さんが開催される「お能にトライ!」という体験講座の情報がありました。 会場は中野区立歴史民俗資料館で、すり足の所作や謡の発声を体験できるということで、3月に参加してきました。 講…

なかのZERO新春能で「船辨慶」を鑑賞

先日1月21日(日)に、なかのZEROで開催された新春能「船辨慶」を、私よりも能楽初心者の友人に誘われて観に行きました。3回目の能楽鑑賞になります。 今回は能楽堂ではなく、一般的なステージで開催されたので、ステージ上に能楽堂風のセットが展開されてい…

観世能楽堂で「土蜘蛛」鑑賞

昨年12月11日(月)にGINZA SIX内にある観世能楽堂で開催されたイベント「TOKYO GINZA 能」に参加しました。2回目の能楽鑑賞になります。 インバウンド向けのイベントで、外国の方が多く参加されていました。料金3,000円というリーズナブルな設定は外国の方…

能は観客を甘やかさない

前回の投稿で触れた書籍の著者の安田登さんが、メディア環境研究所のサイトで能楽師の視点からVRを論じられていました。 mekanken.com そこに、「鑑賞側の能動性が求められる」能の特徴が端的に表現されていたので、ここに引用します。 能を初めて見た人の大…

能は幻視を発動させる装置

2冊目として、こちらの本を手に取りました。 能 650年続いた仕掛けとは (新潮新書) 作者:安田 登 新潮社 Amazon 著者は、初めての能で「松風」を鑑賞中、水面に浮かぶ月の風景を幻視したそうです。それをキッカケとして能にハマり、能楽師にまでなられていま…

能は眠くなったら寝てもいい

前回、基礎的な知識ゼロで初めて能楽を鑑賞したので、とりあえず基本情報を押さえようと、こちらの本を手に取りました。 マンガでわかる能・狂言: あらすじから見どころ、なぜか眠気を誘う理由まで全部わかる! 誠文堂新光社 Amazon マンガの割にはじっくり読…