能ガキブログ

能楽初心者が未知の楽しみを追求するブログ

能は眠くなったら寝てもいい

前回、基礎的な知識ゼロで初めて能楽を鑑賞したので、とりあえず基本情報を押さえようと、こちらの本を手に取りました。

マンガの割にはじっくり読む部分も多いのですが、入門書として楽しく能楽を学べました。シテって何?というレベルの、鑑賞時に感じた初歩的な疑問点がうまくカバーされていて、学びが多かったように思います。

能は眠くなったら寝てもいい

救われたのは、能は眠くなったら寝てもいい、という言葉。実際、鑑賞中に爆睡している方を多く見かけたし、私自身もしっかり寝落ちしました。鑑賞中に眠ってしまったら、その作品はつまらなかったと判断されるのが一般的な認識だと思いますが、能は勝手が違うようです。

本書によると、能の謡や囃子はとても心地の良いリズムで、心臓音に近いとか、脳からα波が出るリズムとか言われていて、鑑賞者は一種の瞑想状態に入ることもあるらしいです。うつらうつらとして眠ってしまっても、寝て起きてを繰り返していると、だんだんと現実と夢の境目がなくなると、まさに「夢うつつ」の状態になる。その状態を味わうのも能の楽しみ方の1つである、とありました。

実際、鑑賞後は頭がスッキリとしていました。舞台上の展開に集中するだけではない鑑賞スタイルの自由さに、懐の深さを感じました。

また前回触れた、私が鑑賞中に感じたトリップした感覚と似たようなものを著者も感じられているようでした。本書導入部には

なんだろう、この感覚。興奮するような、癒されるような。宇宙?これが・・ジャパニーズカルチャー・・・?

と宇宙空間の上に主人公のネコが浮かんだ絵が描かれていました。これはトリップしてますね。笑

やはり、何かしらの気持ち良さを感じられてる方はいらっしゃるんですね。なんかホッとしました。そもそも、寝落ちしても、トリップした感覚になっても、夢うつつになっても、それぞれ個人の楽しみ方があるのが能楽鑑賞である、ということなんですね。