能ガキブログ

能楽初心者が未知の楽しみを追求するブログ

矢来能楽堂で「羽衣」を鑑賞

先日3月3日(日)矢来能楽堂「羽衣」を観に行きました。4回目の能楽鑑賞になります。

矢来能楽堂は閑静な神楽坂の住宅街にあり、自宅に併設された能楽堂で、アットホームで隠れ家的な雰囲気がありました。こちらの建物は国の有形文化財に登録されています。

今回は能楽協会主催の能楽堂散歩」という初めての能楽堂探訪を誘う初心者向けのイベントで、

以下のようなプログラム内容でした。

  1. 舞台上での解説(日本語と英語)
  2. 「羽衣」の実演
  3. フォトセッション

初心者向けということで、事前に詞章全文とストーリー解説(イラスト入り)が書かれた冊子が配られ、さらに希望者には字幕解説タブレットの無料貸出がありました。至れり尽せりのサービスで準備万端で鑑賞に臨みました。これで3,000円は有り難かったです。

今回は初めて中正面席に座りました。しかも一番前の席!斜めからの視線なので、舞台が立体的に観られてとても迫力がありました。個人的には正面席よりも好きでした。

舞台上での解説のあと「羽衣」が上演されました。舞台上の演者を見つつ、冊子で詞章を確認しつつ、タブレットの現代語訳で内容確認をするという、ちょっと忙しめの鑑賞でしたが、一語一句内容が理解できている状態で能を観るのは初めてでした。詞章の内容に呼応するように、演者のちょっとした動きから突然登場人物の感情や周囲の景色が浮かんでくる感じがして、思わず「おーーっ」と感動してしまいました。

前半はしっかり頭を使って内容を追って鑑賞していたのですが、後半、特に天女が舞い始めてから、段々舞の動きと囃子の音や謡の声が迫って来て、どんどん押し潰されそうになり、最後にはしっかりカタルシスを感じました。頭がスッキリしました。これはクセになりそうです。

上演後にはフォトセッションということで、舞台上にシテの演者さんが再登場し、撮影会が開催されました。ガンガン撮りまくりました。動画もOKでした。

話は変わりますが、矢来能楽堂には珍しい座敷席があります。昔は位の高い方々が利用していたようです。

今回は装束展示に使われ、「羽衣」上演後に公開されました。

能楽鑑賞は不思議と毎回違った印象を持つのですが、今回も新たな扉が開いたような新鮮な鑑賞になりました。今後、詞章と現代訳を持参して能鑑賞に挑もうかと思います。