能ガキブログ

能楽初心者が未知の楽しみを追求するブログ

体験講座「お能にトライ!」に参加

なかのZEROでの新春能「船辨慶」で配られたチラシに、シテの小島英明さんが開催されるお能にトライ!」という体験講座の情報がありました。

会場は中野区立歴史民俗資料館で、すり足の所作や謡の発声を体験できるということで、3月に参加してきました。

講座開始早々、小島英明さんが突然、3メートルという間近で高砂の有名な冒頭を朗々と謡われました。見所から舞台上の謡を聴くのと違い声量が半端なく圧倒されました。音の密度が高いというか、鼓膜が押されるような、とにかく迫力が凄かったです。この体験ができただけでも当講座に参加できて良かったと思いました。それから参加者全員で高砂を謡い、プリントや動画を使っての能の解説があり、講座前半が終わりました。

後半は椅子を片づけ、会場に敷いたゴザの上ですり足の練習が行われました。お尻を突き出したまま上体を真っ直ぐに維持してすり足をするという、なかなかハードルの高い動作です。何度か練習をしたら、今度は能面の視界の狭さを再現したマスクをつけた状態ですり足をしました。マスクは資料館のスタッフの方々のお手製だそうです。周囲など全く見えず、進む方向にある目標点しか見えません。前に進むだけでもかなりの恐怖を感じました。

面を付けた能楽者の方々は、ほぼ何も見えない状態で演じられているんですね。なぜそこまで!?と素人は思ってしまいます。すり足も、視界が狭いが故の安全を考えた上での対処法だったのかもしれません。

今回の体験講座は内容盛り沢山で、無料だなんて信じられませんでした。