能ガキブログ

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【奈良 薪御能①】春日大社で「鵜飼」を鑑賞

薪能(たきぎのう)を観に奈良まで行って来ました。

「薪御能(たきぎおのう)」とは

能発祥の地、奈良の伝統行事である「薪御能」春日大社興福寺で執り行われました。

「薪御能」は全国各地で行われている薪能や野外能の起源にあたり、貞観11年(869年)に興福寺西金堂で執り行われた薪猿楽(たきぎさるがく)が最も古いとされています。

現在では毎年5月の第3金曜土曜の2日間に、観世(かんぜ)・金春(こんぱる)・宝生(ほうしょう)・金剛(こんごう)の「能学四座」による能と、大蔵流狂言が奉納されます。

今年は5月17日(金)と18日(土)の2日間。

両日とも午前11時から春日大社で能が奉納され、午後17時30分から興福寺薪能が開催されました。

協賛券というチケットを購入すると1日だけ両会場で能を鑑賞できるというので、私は2日目の18日(土)を選びました。ちなみに、協賛券は事前購入で6,000円(当日6,500円)。事前購入の方は開場時間が他よりも15分早くなるため、より良い席が取り易いという特典があります。

春日大社で参拝

当日朝、早めに春日大社に着きました。天気に恵まれ気持ち良かったです。

神社にいる鹿、心なしか神々しく見えます。

御本殿を参拝しました。

開場時間の30分前に、会場の若宮へ。もう列が出来ていました。

若宮拝舎での「御社上りの儀」に参戦

2日目に春日大社の若宮で執り行われる儀式を「御社上り(みやしろあがり)の儀」と言います。

若宮の社殿前にある建物、拝舎(はいのや)で能を奉納する儀式です。開演の一番最初には春日大社神職による参拝があったり、興福寺の衆徒(しゅと)という弁慶のような格好をした僧侶の方々が登場したりと、独特の雰囲気で儀式が始まりました。

こちらが若宮の(朱色の)社殿前にある拝舎です。能の舞台になります。

拝舎の両サイドと、拝舎を挟んで社殿との向かいにある建物内の御廊細殿(ほそどの)に観客席が設けられていました。

演者の配置も独特でした。(イラストにある演者や観客の数はテキトウ)

演目は金春流による「鵜飼(うかい)」でした。

松明を持って鵜飼をする様を舞ったり、閻魔大王が出てきたりと見どころの多い曲でしたが、殺生の罪を犯し地獄に落ちた鵜飼の男性が、法華経のご利益によって救われるという、仏教の有り難さを讃える内容が宗教臭く気になりました。能というメディアは当時布教活動の一環として利用されていたんでしょう。

ただ仏教寄りの能が神社に奉納されるという神仏習合のゆるさは素敵だなと思いました。

 

実は辛い事がありました。野外能が初めてだった私には完全に想定外でした。それは直射日光による灼熱地獄でした。天気に恵まれすぎたためか5月でも日差しが強かったのです。装束を着て動き回る演者の方々はもっと大変だったでしょう。

それでも私が座った拝舎の右側の席(上記イラスト参照)は開演前まではなんとか日陰で、公演中も背面からの日差しで、たまたま帽子を被っていたこともあり、なんとか我慢できる範囲で公演を楽しむ事ができました。ただ拝舎の反対側の観客の方々は、直射日光が正面から降り注いでいたので、眩しく暑そうでした。

日差しを避けたい方は、屋根のある御廊・細殿からの鑑賞をオススメします。