世阿弥直筆の書簡や能本、伝書があるということで、奈良の生駒山(いこまさん)にある寳山寺(ほうざんじ)に行って来ました。
生駒山寳山寺とは
江戸時代(1678年)に湛海律師(たんかいりっし)が開山したお寺で、奈良にあるお寺の中ではそこまで古くはないのですが、修行の場としての歴史は長く、寺の背後にそそり立つ巨岩「般若窟」では、修験道を開いた役行者(えんのぎょうじゃ)や弘法大師も修行をしたといわれ、古くから霊験あらたかな場所です。近代以降、大阪商人等の信仰を集め「生駒の聖天さん」として親しまれています。
近鉄奈良線で生駒駅まで行き、近鉄生駒ケーブルに乗り換えて、鳥居前駅から宝山寺駅まで上がります。
こんなかわいいケーブルカーに乗ります。
宝山寺駅からは、左右に灯籠の並ぶ石畳の表参道を上ります。
宝山寺の入り口まで来ました。
右に本堂、左に聖天堂があります。背後に崖が見えます。この崖の聖天堂後方に「般若窟」があります。
聖天堂の横からさらに上に登れます。「般若窟」が少し見えます。
雰囲気の良い参道が続きます。麓から奥の院まで階段は1,000段余りあるそうです。
頂上の奥の院に到着しました。
立体的でとても格好良く、参拝するところも多くあり色々と楽しめるお寺でしたが、目的である世阿弥直筆の書簡はどこにも見当たりませんでした。
寺務所の方に確認したところ・・
常設展示はしていないようです(涙)ただ、年一回、虫干しを兼ねて8月にこちらの和光殿でしれっと展示されるようです。
寳山寺には、足利義教により配流された佐渡から世阿弥が娘婿の金春禅竹に宛てた直筆の書簡や能本(能の演出注記入り台本)など貴重な文化財があり、デジタル化したものがこちらから確認できます。
実物を直接ご覧になりたい方は、確認の上、8月に寳山寺に行ってみてくださいね。